現役アナウンサー日記

現役アナウンサーのおもちです。アナウンサー試験や話し方をお伝えします。

【現役アナウンサーが教える】アナウンサー試験の流れ

現役アナウンサーの おもち です。

 

「アナウンサーに興味があるけど何をすればいいの?」

「アナウンサー就活に必要なことって?」

 

そんな皆さんの疑問に答えるべく、

全国50社を受験し、見事 局アナを勝ち取った現役アナウンサーが、アナウンサー試験の流れを詳しく解説していきます。

 

 

アナウンサー試験の流れ

 

1.書類選考

2.面接、筆記試験

3.カメラテスト

 

カメラテスト?とさっそく疑問かもしれませんが、順番に説明しましょう。

 

 

1.書類選考

 

これがやっかいなのです。実際試験を受けると、一番苦労するかと思います。

 

なぜなら、倍率が高すぎて全然通らない上に、ここを通過しないと試験さえも受けに行けないんですから!

 

キー局(東京)や準キー局(大阪)等は約2000倍、地方局でも数百倍の倍率ともいわれているアナウンサー試験。

 

一般的な就活と違い、書類選考から超難関レベルなんです。

 

 

書類選考の主な項目は

➀経歴

②写真

③自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)などの文章

④自由記述

⑤自己PR動画

 

特に重要なのは②写真と⑤自己PR動画です。

 

証明写真に加え、上半身写真と全身写真は必須。

局によると6枚くらいの写真提出を求められることもあります。

(笑顔の写真、アルバイト中、ゼミ活動中、部活で本気の顔をしているときなど…)

 

 

アナウンサーはテレビ局の顔であり、ロケなどで食事中やスポーツ中の表情を撮られるからという理由からですね。

 

そして、写真に加えて求められるのが⑤自己PR動画。

15秒~1分などの動画を撮影して、表情や話し方、ユニークさ等を審査されます。

 

ちなみに、④自由記述というのは、真っ白な紙に自由に書いていくものなどです。

ここにも写真を使いますから、写真はあればあるほどいいということですね。

 

エントリーシートは多い時でA4用紙5枚分。

文章に写真や動画、準備がかなり大変なのに、バッサバッサ落とされる書類選考。

そりゃメンタルも削られます…

日頃から写真集めをしておくことをおすすめします。

 

 

2.面接、筆記試験

 

これは一般的な就活とほとんど同じでしょう。

 

受験者1人と面接官が1人~5人の中質問に答えていくほか、

受験者が複数人でのグループ面接もあります。

 

お題に沿って、話し合い、決断を出し、発表するといった流れが一般的で、集団の中でどんな役割をするのかを審査されます。

 

(どの役割が良いなどはその会社が求める像によりますが、アナウンサーとしては、堂々と発言する姿勢、聞く姿勢、周りを見る力・協調性などが大切です。)

 

 

面接は書類選考のエントリーシートなどをもとに質問されますので、

エントリーシートを書くときは面接を見据えて、質問を誘導するような形をとるといいでしょう。

 

話したいネタだけをエントリーシートの文章や写真に散りばめ、鉄板ネタで勝負する。

そうすれば、面接も安心して臨めます。

 

 

もちろんですが、嘘は禁物ですよ。

絶対にばれる上に、悪名が立つと他の県の系列局にも伝わる可能性がありますからね。

 

 

 

また筆記試験は、一般教養に加え、時事問題、マスコミ漢字、その県の地名の読み方や知識(知事の名前や有名な観光地、その県が舞台の作品など…)を出題されることもあります。

日頃から新聞を読んだりニュースを見たり、漢字を勉強するのに加え、その土地のことを徹底的に調べることが大切ですね。

 

 

 

 

本気でアナウンサーを目指すのであれば、全国の試験を受けに行くことになるでしょう。

沖縄在住でも、遠くて縁もゆかりもない北海道の局を受けに行く…なんてことがあります。

そんなときに追及されるのが、「なぜこの局なのか、なぜこの県なのか」です。

地方局であればあるほど、ここを深く追及されます。

 

受験生は本気でどこでも行くと思っていても、局側は、「他の局に内定を貰ったら辞退してしまうのではないか…」「数年で辞めてフリーになろうと考えているのではないか…」などと不安を抱えているからですね。

 

面接を重ねる中で、その局や県への気持ちを高めてください。

そして縁がなければ作るのです。

 

受験前日から前乗りして、地元の人が沢山いるご飯屋さんで店主やお客さんに話しかけて、エピソードを無理やりでも作るというのは、アナウンサー就活あるあるです。

 

これは、テレビ局員としてインタビューをしたり取材をしたりするのと一緒ですね。

面接自体も大切ですが、どこまで準備できるかがカギなのです。

 

 

 

そのほか、コロナ渦で特徴的だったのは動画収録の面接です。

お題が出され、全てに1分以内で答えていく。時間が過ぎると強制終了。という恐ろしい面接もあり、受験者のほとんどが失敗したと口々に語っていた記憶があります…

まあ、これは稀な形式でしょう。

 

 

 

3.カメラテスト

 

さて、一番なじみがないのがこのカメラテストです。

 

アナウンサーはニュース原稿を読み、美味しいものや美しい景色を伝えるためロケに行ってリポートし、ときには災害時の中継もします。

 

全て、カメラを通して映像を放送に乗せます。

 

その中で、美しい話し方・様々な表情・機転の利く喋りが必要なのです。

 

そこで、模擬テストとして実際のスタジオに立ち、自己紹介をしたり、ニュース原稿を読んだり、フリートークをするのがカメラテストです。

 

ニュース原稿は、

  • 喉ではなくお腹から出す大きな声
  • 正しいアクセントや日本語
  • うねりなどがない素直な読み方  などが大切です。

 

特に気を付けたいのは、方言ですね。

関西弁や東北弁などが強い人は、普段から標準語を使うなど、矯正が必要です。

 

ニュース読みはアナウンススクールに通って学ぶ人がほとんどですが、キー局や系列局などであれば入社してからも丁寧に研修してくれます。

 

 

そして、フリートーク

 

お題の出され方は様々で、

 

口頭で「最近嬉しかったことを1分で話してください。」と言われたり、

 

富士山や車、祭の風景などパネルが6枚出てきて、どれか1つ選んで2分話してくださいといったパネルトーク

 

ストップウォッチや水筒など机にものが並んでいてその中から話をする物トーク

 

時にはサイコロを振って出たお題で喋るなどもあります。

 

 

さすがテレビ局。ユニークですが、受験生からするとかなり戸惑いますよね。

 

日頃から、喋る練習、時間感覚を掴む練習をしましょう。

 

そしてなにより堂々とすることが大切です。

 

カメラテストでは慌てている表情も撮られていますから。

 

喋りがぐちゃぐちゃになっても、「私は何も間違っていません」と明るく笑顔で堂々とした立ち居振る舞いをしていれば、

逆に「この子は緊急時にも対応できそうだ」といった好印象を持たれます。

 

 

 

まとめ

 

アナウンサー試験の流れ いかがでしたか?

 

一般的な就活とは違うところも多く、アナウンサーって難しそうだな…と思った方もあるかもしれません。

 

ですが、上記の試験は誰にとっても難しいものであり、慣れや努力で十分戦えます。

 

筆者も、最初はA4一枚に一言一句書き留めたものを読み上げるフリートークしかできなかったのにアナウンサーになれたんですから。

 

正しい知識とあきらめない心があればアナウンサーへの道は開きます。

 

このブログを通してアナウンサー試験の知識をお伝えできればと思いますので、

アナウンサー受験を考えている皆さん、一緒に頑張りましょう。